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くじら通信…都留どうぶつ病院の院長・スタッフより

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お久しぶりです

お久しぶりです、和田です。いかがお過ごしでしょうか。



いつも「博物館」と「映画」しか書いていない私ですが、今回は路線を変えます。




 最近、マンガを買いました。13冊も。


 私の実家にはその昔「マンガを読む暇があったら勉強しなさ――い」という堅苦しい教育方針がありまして、そのために長年マンガとは縁のない生活をしていました。ですがどうしても気になる本がありまして、ついに大人買いしてしまいました。

買うときめっちゃドキドキしました。



 ご存知でしょうか、『もやしもん』。
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↑コレです

 主人公は肉眼で菌が見え、話すことが出来る特殊な才能を持つ沢木くん。某農業大学に入学し、菌を研究する教授と大学の先輩たちとともに菌を通して「発酵」の世界を見ていくという内容です。可愛くキャラクター化されたニホンコウジカビ、ショウユコウジカビ、納豆菌などなど、多くの菌が「かもせ――――」と叫んでは発酵する様子には癒されます。

 ちなみに一番のお気に入りはO-157です。

 発酵にはとてもとても興味があります。好きなお酒、納豆、チーズ、お茶など、人間の生活の周りには発酵食品がいっぱいです。目に見えない菌がどんな働きをしているのかな―と昔から思っていたのですが、のびのびした雰囲気の中、主人公の目を通して発酵の仕組みを垣間見ることのできる『もやしもん』は本当に面白いです。

 

 農業大学を舞台に熱心に菌類を研究する登場人物たちですが、自給自足に奮闘したり、お酒造りでぼろ儲けしようとしたり、あんなもので爆弾を作ったり…。

特に面白いのが、作品中に出てくる発酵食品の数々。納豆やチーズはもちろん、日本酒・ワイン・ビール、韓国のエイの料理、そしてテキーラまで登場します。読めば読むほど、あっそういえばこれも発酵してできてる食べ物だ!と驚きます。

テキーラが大好きで将来はメキシコまで飲みに行こうと思っているのですが、リュウゼツランを発酵する過程で、品質の良いテキーラだけでなく、大衆向けのどぶろくのようなお酒まで生まれているそうで、気になってしょうがありません。

自分で作れたらいいのになぁ…(法律違反)

 「キビヤック」(北方民族が作る、アザラシに海鳥を詰めて作る発酵食品)というものも登場しますが、私自身大学でちょこっと調べたことがあったのですが、あの強烈な香りのするものを無表情で食べる教授の姿に爆笑したり、日本各地の日本酒の生産に杜氏が労力と情熱をかけていることを知ったり。

発酵を軸に日本内外の食文化を知ることが出来る、教科書みたいなマンガでした。

 ただ、文字数が多いので、読書が苦手な私としてはちょい疲れます。

 

 

 菌の働きを、人間の側から見て有益なものを発酵、有害なものを腐敗と区分するわけですが、改めてみるとやっぱり昔から人間は「発酵」の恩恵を受けていますね…。

 発酵は食品の保存方法としてまず発展したのでしょうが、歴史を追うごとに発酵の醸し出す風味やアルコールの不思議な力に魅了されてきたことがうかがえます。その証拠に、世界各地のどこの民族の料理をとっても発酵食品がないところはありません。

その代表格のお酒ですが、この美味しい液体を作り出すために、世界の人びとは研究し知恵を絞り、日々菌と向き合っていますが、この存在があるからこそ集団がまとまり平和な共同体が形作られるのだと思うとロマンがあります。

どこの地域にもみられる「親睦深めに飲もうぜー」の行動も、きっと発酵の醸し出す香りが人々を結び付けてくれるのを知っているからこそ生まれるのでしょうね。

 発酵に情熱をかける人間の姿に普遍性を感じます。

 あっそういえば。

ナショジオ20172月号「酒の誕生 人間との長くて深い仲」と『もやしもん』を合わせて読むとさらに知識が深まります(たぶん)

 文大図書館にありますので、ぜひ。

 さて、就職活動が始まり、私の頭もだいぶ腐敗してきました。

 メンタルもぼろぼろになってきます。

 前向きになれる魔法の言葉。

「かもせ~~~」

今月の和田ブログ<おわり>


(和田)



by tsuruah | 2017-03-10 11:37 | スタッフの投稿
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